免疫力を高めよう!

今年はカゼやインフルエンザだけでなく、中国武漢で発生した新型コロナウイルスが猛威を振るっています。いずれも感染予防には手洗いやうがい、マスクの使用が重要とされ、万一感染・発症した場合には適切な治療を受ける必要があります。また予防効果を高め、たとえ感染しても発症の程度をより軽度に抑えるには、体力や免疫力を高めることが有効とされています。

「疫を免れる力」と書く免疫力ですが、そもそも「疫」とは悪性度の強い伝染病に使われる言葉で、中国医学の古典に度々登場し、人々がそういった病と太古の昔から闘ってきたことがうかがえます。

現在、免疫力といえば感染症だけでなく、アレルギー疾患やがんなど、様々な病気に関わる要素として認識されています。私たちの体を様々な病気から守るために体に備わる仕組みが免疫です。その仕組みは多様な免疫細胞や抗体などの物質が複雑に関係しており、体内に侵入した異物や、体内で発生した異常細胞などを排除してくれています。この防衛システムの力が免疫力ですが、単に強ければいいのかというと、そうではありません。免疫の過剰反応がおこると、アレルギー疾患や自己免疫疾患などが引き起こされます。つまりは免疫という仕組みも、バランス良く機能することが大切であり、そのような状態を維持することが免疫力を高めるということなるでしょう。

免疫のバランスは自律神経やホルモンのバランスとも密接な関係があります。ですから睡眠不足やストレスといった自律神経に悪影響をもたらすことは免疫にとっても良くないことになります。また免疫の機能にとって必要とされる栄養素は多種に及びます。一つのものに固執するよりも、旬の素材を中心に、野菜も肉・魚類も、穀類もかたよりなく取っていただくのがよいでしょう。

漢方では体に備わる防衛の力を衛気(えき)と呼び、衛気を強めることで感染症や花粉症を予防する知恵があります。とくに黄耆(おうぎ)という生薬には衛気を強める働きがあるとされ、黄耆を含む玉屏風散(ぎょくへいふうさん)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などが多用されます。さらに、個々人で異なる体調や体質を考慮し、バランスの良い処方を選択することが免疫力の向上に役立ちます。

憂いを払拭するのは難しいですが、できるだけの備えをしたいものです。

黄耆写真:黄耆(マメ科キバナオウギの根を乾燥したもの)