寒い季節の漏れ対策

寒い中にいると鼻水が出てきたり、尿が近くなるなど、分泌や排泄が多くなることがあります。汗は逆に少なくなりますが、女性ではおりものが多くなる方もおられます。寒さによって増える分泌物は、色は無色で、匂いが薄く、質はさらさらと水っぽい傾向があります。

逆に発熱や炎症に伴う分泌物は、色は黄色味を帯び、匂いはきつくなり、粘りが出てくる傾向があります。その場合には、まずその炎症を鎮めて解決を図ります。

冷えによる場合には、体を温めることが基本ですが、慢性的に水様の分泌物がある場合には、根本的な冷え性の体質や体力の低下が関係している恐れがあります。

根本的な体力を維持するには、漢方ではとくに胃腸と腎臓を重視します。胃腸は飲食物を消化して栄養を吸収するところであり、腎臓は生命力の源を貯蔵するところと考えるからです。体を温める力や病気の原因となる邪気から身を守る免疫力も、やはり胃腸と腎臓の力が大切とされています。

水っぽい鼻水は、鼻カゼやアレルギー性鼻炎などで見られますが、慢性的な場合の対策としては、胃腸と腎臓に加え、呼吸器系も温めながら強化します。胃腸と呼吸器系の強化に役立つ代表的な処方には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)があります。ここに薬膳素材として有名な冬虫夏草(とうちゅうかそう)を加えるとさらに腎臓強化や体を温める力が向上します。冬虫夏草を使った代表処方には双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)があります。

頻尿や尿漏れなどの場合には腎臓を強化することが基本になります。体を温めて腎臓を強くする処方として八味地黄丸(はちみじおうがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)がよく使われます。また収斂作用のある生薬は、汗や尿が漏れ出るのを防ぐ働きがあるとされ、そのいくつかを含むものに参馬補腎丸(じんばほじんがん)があります。尿漏れには骨盤底筋の体操を一緒に行うとより効果的です。

水様のおりものが多い場合も、胃腸や腎臓を強化します。そして収斂作用のある生薬を併用するとより効果的です。実際には月経の状態や他の体調も考慮して用いる処方を決めることになります。

日本記念日協会では2月20日を『尿漏れ克服の日』と定めています。実に女性の四人に一人は尿漏れで悩んでいるというデータがあるそうです。出産を経験すると下腹部組織を支える骨盤底筋が弱ってしまうことが大きな原因です。骨盤底筋の体操は、いろいろな書籍やインターネットの情報で見ることができます。漢方薬や体操を活用して早めの解決を目指しましょう。

サンシュユ
写真:早春に開花するサンシュユ
秋に赤く熟した果実が生薬の山茱萸
収斂作用を有する生薬の一つとなる

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