症状別漢方紹介

帰脾湯 きひとう

脾(消化器系)と心(循環器系とこころ)の気力・体力・血液を補う処方です。

参考書

新 一般用漢方処方の手引き((株)じほう;平成25年9月26日)

成分・分量 人参2~4 白朮2~4(蒼朮も可) 茯苓2~4 酸棗仁2~4 竜眼肉2~4 黄耆2~4 当帰2 遠志1~2 甘草1 木香1 大棗1~2 生姜1~1.5
効能・効果 体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪いものの次の諸症:貧血、不眠症、神経症、精神不安

※本書は日本の漢方製剤(医療用・一般用・薬局製剤を含む)の基準となる一般用漢方処方をまとめたものです。本書収載の漢方処方は日本国内で漢方製剤として認可を得ることができます。本書の選から漏れた漢方処方であっても、生薬製剤などのカテゴリーで製剤化されているものがあります。

【原典】済生方(厳用和;1253年)

健忘とは常々ものを忘れることをいう。脾は意と思をつかさどり、心は思をつかさどる。思慮過度では意舎不清、神官不職となり、人をして健忘せしめる。之を治すのは心脾をととのえる方法である。神意を寧んじ、思を静かにすれば、思慮過度、労傷心脾、健忘怔忡を治す。
白朮 茯苓去木 黄耆去蘆 竜眼肉 酸棗仁炒去殻各一両 人参 木香不見火各半両 甘草炙二銭半
右㕮咀、毎服四銭、水一盏半、生姜五片、棗子一枚、煎至七分、去滓温服、不拘時候。

内科摘要(薛己;1529年)

治思慮傷脾、不能摂血、致血妄行、或健忘、怔忡、驚悸、盗汗、或心脾作痛、嗜臥少食、大便不調、或肢体重痛、月経不調、赤白帯下、瘧痢瘧痢。
人参 白朮 白茯苓 竜眼肉 酸棗仁 黄耆(各二銭) 遠志 当帰(各1銭) 木香 甘草(炙 各五分)
上姜、棗、水煎服。
加味帰脾湯 即前方加柴胡 山梔

方剤学(普通高等教育中医薬類計画教材 上海科学技術出版社 1995年)

【組成】白朮(9g) 茯神(去木)(9g) 黄耆(去蘆)(12g) 竜眼肉(12g) 酸棗仁(炒、去殻)(12g) 人参(6g) 木香(不見火)(6g) 甘草(炙)(3g) 当帰(9g) 遠志(6g)
【用法】上㕮咀、毎服12g、水一盏、生姜五片と棗一枚を合わせて七分目まで煎じ、かすを去って温服する。時間は拘らない。
【効用】益気補血、健脾養心。
【主治】
1.心脾気血両虚証。動悸、健忘、不眠、寝汗、火照り(虚熱)、だるさ、食欲不振、顔色がくすんだ黄色、舌淡、苔薄白、脈細弱。
2.脾不統血。便血、皮下紫斑、婦女崩漏、月経周期が短く、経血量が多くて色がうすく、或いはしたたり落ちて止まらない、舌淡、脈細。