関節痛・しびれの
漢方について
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肩や首、腰、膝、肘といった関節の痛みやしびれに対しても漢方薬はしばしば利用されます。原因は打撲や関節の使いすぎ、加齢、疲労、姿勢の悪さ、さらには冷え性、精神的な緊張、他の疾患からの二次的なものなど、多岐に及びます。痛む場所や程度、原因などによって用いる漢方薬は異なります。
痛み・しびれの漢方治療を考えるときに基本となる二つのキーワードがあります。それは「不通則痛」と「不栄則痛」です。 -
「不通則痛」(ふつうそくつう:通じざればすなわち痛む)
漢方では、体の中を「気」「血」「水」などが流れており、何らかの理由でこれらの流通が停滞すると、痛みやしびれの原因となると考えます。この状態を「不通則痛」と表現します。「気」「血」「水」の流れを促進する生薬を使いつつ、さらに停滞を作る原因を考え、その原因を解消する治療や養生を行います。
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「不栄則痛」(ふえいそくつう:栄えざればすなわち痛む)
過労や加齢による筋肉や骨の衰え、あるいは軟骨のすり減りなどからも関節の痛みに発展します。衰えによる痛み、これが「不栄則痛」です。この場合、体を構築する栄養源を補って衰えた状態を回復させ、痛みやしびれを軽減させます。