症状別漢方紹介

目の疲れ対策《NaturalLife64_’16.4》

私事ですが先月からインターネットでフェイスブックを始めました。これまでもホームページやブログはやってきたのですが,今流行のSNSという通信網の世界に入り込んでしまいました。通信網でつながった人たちのページを見ては,気に入った記事に「いいね!」。このようなことを始めてみると,とにかく目が疲れます。パソコンやスマートフォンを操作する時間が圧倒的に増えているのです。

今もパソコンで原稿を書いていますが,そのほかにも様々な資料作成や顧客管理などで日々パソコンに向かう時間は少なくありません。さらにスケジュール管理や読書にスマホが便利であることを知ってしまいました。

昨今,ブルーライトによる目の障害が注目され,また若い人でも遠近の調節機能が衰えたスマホ老眼という現象が報告されています。現代人の目を守る対策は大変重要です。

最善策は目の酷使を止め,目の保養として美しい遠景などを眺め,バランスの良い食事と十分な睡眠を取ることです。目の酷使を続けながらでは,良い薬やサプリメントを摂取しても,効果は薄くなってしまします。仕事上どうしても目を酷使する場合には,ブルーライトをカットする眼鏡などで目を保護することが必要でしょう。またこういった技術が進歩することを期待したいものです。

さて,目に良い食品として,ほうれん草やブロッコリーなどに含まれるルテイン,鮭や蟹に含まれるアスタキサンチンなどが注目されています。また以前からブルーベリーやウナギなども有名です。ルテインやアスタキサンチン,ブルーベリーなどは抗酸化作用に優れ,細胞の傷害や老化を防いでくれます。ウナギはビタミンやミネラルが豊富で,血流改善につながる油成分DHA,EPAなども含まれます。

漢方書ではクコの実や菊の花,決明子(ケツメイシ・ハブ茶の原料),アワビの貝殻,桑の実等々多くの生薬が目に良いとされています。クコは目を養う,白菊は目を養って働きを調節する,野菊や決明子,アワビの貝殻は目の炎症を沈めるなどといわれてきました。これらは目の状態に合わせて選択する事が重要です。

フェイスブックを始めて一週間ほどたったころ,フェイスブックをする時間に制限を設けることと,クコと菊の花を含む杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)を服用することを決めました。目のありがたみを感じ,大切にしていかなくてはと改めて思う今日この頃です。