子どもの漢方について
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子どもの体は単に大人を縮小したものではありません。
お薬の利用は単に服用量を減じるのではなく、大人とは異なる子どもの特徴を考慮して漢方薬を選びます。 -
子どもの特徴1. 稚陰稚陽(ちいんちよう)
漢方には「稚陰稚陽(ちいんちよう)」という子どもの状態を表す言葉があります。「陰」と「陽」のどちらもが幼稚であるということです。ここでいう「陰」とは筋骨・内臓・血脈など体そのものを意味し、「陽」とは気力・体力・免疫力などの機能的あるいはエネルギー的なものを指します。つまり全身が未熟であるということです。子どもは病気にかかりやすく、またその変化が速いことに留意する必要があることを示唆しています。
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子どもの特徴2. 純陽(じゅんよう)
さらに子どもは「純陽の体」という概念もあります。この「陽」は前出の「陽」とは若干異なり、日に日に成長していく旺盛な生命力を有していることを「純陽」と表現しています。
これらの概念を元に、子どもの治療、とくに慢性的なものにおいては心身を補い、成長を促していくことを念頭に置きます。