脳・神経・精神etcの漢方
漢方書に見る五月病対策のヒント《NaturalLife54_’15.5》
ゴールデンウィークが終わる頃、心身が重だるく、やる気が出ない、人との関わりが億劫、食欲不振、不眠といった症状が出てくることがあります。いわゆる五月病です。とくに4月から新しい生活をスタートした人に多く、環境に適応できずに大きなストレスを抱えてしまうことが原因とされています。
漢方の古典『黄帝内経(こうていだいけい)』にも、五月病を連想させる記述があります。意訳して紹介しますと、「春はあらゆる生気が発動して生き生きと栄えます。人々は少し遅く寝て、少し早く起き、体を伸びやかにし、心持ちを生き生きとさせて、まるで生まれたばかりの万物の様にするべきです。心身の活動を妨げぬようにすることが春に適応する道理です。道理に反すると、肝気を損傷し、夏になって、暑さに対応できず、より隆盛になる夏の気に適応する能力が減少してしまいます」
心身の活動を最も妨げるものは、ストレスと言えるでしょう。何かと忙しい現代社会、とりわけ年度初めのこの時期に、どれだけこの教訓を活かすことができるでしょうか?
ここで損傷してしまう肝気とは、五臓六腑の一つである肝の働きを
意味しています。西洋医学の肝臓は一旦忘れていただき、漢方における肝の働きには、血を蓄えることや、心身の各機能を連携させることなどが挙げられます。機能の連携は今でいう自律神経の役割と考えられます。つまり肝気が損傷した状態は、自律神経の失調に相当する場合が少なくありません。
それから夏の気について説明すると、万物が花開き、実を結ぶ季節であり、人々は体内の陽気を外に発散することが大切とされています。発散できないと、今度は心気を損傷し、秋の気にも適応できなくなってしまいます。体内の陽気を発散するには、気持ちを愉快にして、適度に汗をかくような活動が必要です。
一般的に気が張ったり、詰まったりしたら、発散して気晴らしをすることが有効です。しかし、心身が疲労困憊の状態にあると、発散するだけの体力がありません。無理をすれば逆効果です。その様なときは心を養うとされる素材を利用します。竜眼肉(りゅうがんにく ムクロジ科リュウガンの果肉)や蓮の実、百合根、ナツメなどが漢方や食養生で活用されます。

蓮の実を蓄えた果托

実の中心にある胚芽は苦みが強く、心を落ち着かせるとされる
執筆者情報

研究報告・講演等
翻訳
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(中医臨床第107号2006年12月20日 「略論湿熱在中医児科発病学上的意義」浙江省中医薬研究院 王英) - 卵管閉塞による不妊36例に対する中西医結合治療
(中医臨床第105号2006年6月20日 「中西医結合治療輸卵管阻塞性不妊症36例臨床観察」 劉軍) - 加味玉屏風湯による抗精子抗体陽性の女性患者57例の治療
(中医臨床第105号2006年6月20日 「加味玉屏風湯治療女性抗精子抗体陽性57例」広東省仏山市第一人民病院 謝普練 韓慧) - 解表剤運用の心得
(中医臨床第103号2005年12月20日 「解表剤運用心法」北京中医薬大学薬学系 倪誠) - 中医による難治性眼疾患の治療効果
(中医臨床第102号2005年9月20日 「中医薬治療疑難眼病的療効簡介」中国中医研究院眼科医院) - 眼科領域における退翳明目法の応用
(中医臨床第102号2005年9月20日 「退翳明目在眼科的応用」山東中医薬大学付属医院眼科 郭承偉) - 「明珠飲」による内眼疾患の治療
(中医臨床第102号2005年9月20日 「中薬明珠飲治療内眼病挙隅」上海中医薬大学付属曙光医院眼科 潘雅?) - 名医の処方-疏肝解鬱益陰湯
(中医臨床第102号2005年9月20日 「疏肝解鬱益陰湯」河北省人民医院眼科 ?賛襄) - 明目地黄丸および益精昇陰法
(中医臨床第102号2005年9月20日 「明目地黄丸考証及応用-兼論益精昇陰法(二)」中国中医研究院眼科医院 高健生他) - 眼疾患に有用な方剤/石斛夜行丸方
(中医臨床第102号2005年9月20日 「試析石斛夜光丸方」北京中医薬大学東直門医院眼科 祁宝玉他) - 眼科領域における細辛の臨床応用
(中医臨床第102号2005年9月20日 「細辛在眼科臨床的応用」湖北省襄樊職業技術学院医学分院 汪碧涛) - 慢性前立腺炎の治療
(中医臨床第101号2005年6月20日 「中西医結合治療慢性前立腺炎的思路与方法」福建中医学院 戴春福) - 益気養陰清熱法を併用した急性骨髄性白血病の治療中医臨床
(中医臨床第100号2005年3月20日 「益気養陰清熱法輔助治療急性髄系白血病臨床療効観察」山東中医薬大学付属医院 徐瑞栄他) - 糖尿病性腎症の4大病機
(中医臨床第99号2005年3月20日 「糖尿病腎病腎小球硬化症的中医病機探討」上海中医薬大学付属龍華医院 劉玉寧) - 「気」の中医的概念と理気の方薬
(中医臨床第93号2003年6月20日 「緒論:中医的『気』与理気方薬」北京中医薬大学 王琦) - 「辛開苦降」の意味
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(中医臨床第88号2002年3月20日 「温胆湯的臨床応用」江蘇省連雲港市中医院 趙化南) - 温胆湯の症例報告
(中医臨床第88号2002年3月20日 「温胆湯的症例報告」南京医科大学付属淮安第一医院 李樹年)
他
東洋学術出版社『中医臨床』
薬剤師・薬学修士・国際中医専門員
毛塚 重行Shigeyuki Kezuka
- 学歴
- 東京薬科大学薬学部薬学科卒業
金沢大学大学院薬学研究科(薬用植物園)修士課程修了
南京中医薬大学留学(2000~2002) - 職歴
- 吉祥寺東西薬局勤務(1996~2000)
毛塚薬局勤務(2002~2005)
さくら堂漢方薬局開設・ 運営(2005〜)
国際医療福祉大学薬学部非常勤講師(2020~2024)
獨協医科大学看護学部非常勤講師(2025〜 ) - 所属
- 日本中医薬学会
日本東洋医学会
日本中医薬研究会
栃木中医薬研究会
東亜医学協会
日本漢方連盟
日本薬剤師会
