症状別漢方紹介

めまいの漢方薬《知って得する漢方21_’08.5》

めまいは,頭がクラクラしたり,目が回るような感覚などを呈する状態です。ひどい場合には頭が揺れて止まらず立っていられなくなったり,さらに頭痛・嘔吐・耳鳴りなどを伴います。激しい場合は病院での緊急処置が必要です。また,長期に続くめまいも,検査を受けておくべきです。

めまいの原因は様々ですが,危険性のないめまいであっても,その感覚は非常に不快なものです。そのような時に漢方薬が著効を示すこともあります。

漢方での考え方

漢方では,めまいは脳の流通異常や栄養不足の状態ととらえています。

たとえば高血圧や精神的ストレスによるめまいは,頭がカーッとなる状況をイメージしていただきたいのですが,体内の陽気が上昇して脳を乱している状態と考えます。また,疲労で起こるめまいや貧血性のめまいは,脳に運ばれる栄養が不十分なことで生じます。それから,消化不良や飲食の過多などが続くと体内に痰(水毒)が生じ,それが脳を覆い,さらには栄養も届きにくくなり,頭がぼんやりとして重い感じを伴うめまいが現れます。

このように,原因が体内の気や血にあるのか,痰にあるのか,五臓六腑に関係しているのか・・・といったことは,めまいの様子に加え,全身の状態をもとに検討して行く必要があります。むしろそうすることで,慢性のめまいを根本から治して行くことができるとも言えると思います。