漢方日記

身体を温める薬材,スパイシーな食材

 冬になると皆様に喜ばれるのが『しょうが湯』です。身体を温め、胃腸を健やかにしてくれます。『生姜』と書いて『しょうが』ですが、漢方の世界ではこれを『しょうきょう』と読み、やはり胃腸を整えたり、身体を温める目的で用いられます。また、苦い漢方薬を飲みやすくするために加えられることもあります。お馴染みの胡椒やトウガラシ、山椒なども生姜と同様に辛味と芳香性がありますが、生薬としても身体を温める目的で使用されることがあります。また、シナモン・ニッキの類である桂皮(けいひ)やフェンネルというハーブとして知られる茴香(ういきょう)、クローブと呼ばれる丁子(ちょうじ)も同様に香料・温薬として大活躍です。

 日本人にも大変人気の中華料理に豚の角煮があります。この料理にも数種の香味料が使われますが、香りの中心となるのは八角(はっかく)です。八角は八角茴香または大茴香ともよばれ、やはり体を温める生薬としても用いられます。 これらの香味料を上手に利用すると、お食事の塩分が控えめでも味を引き立たせることができると言われます。しかし取りすぎますとかえって胃腸を刺激し胃痛や下痢などの原因になることがありますので、適度に使うことが大切なようです。