漢方日記

北京銘菓に意外な生薬

身体の水毒を取り除く生薬に“茯苓(ぶくりょう)”というのがあります。茯苓は“マツホド”というサルノコシカケ科のキノコを乾燥したものです。このマツホドはキノコとはいっても普通のキノコのように笠をつくりません。地下にある松の根に寄生してイモのような固まりとなるのです。その固まりを乾燥させたのが茯苓で、水分代謝異常に汎用される重要生薬です。

平成14年7月、北京を観光で訪れたとき、ある大きな土産物屋で北京名物“茯苓餅”なるお菓子を発見しました。中国では、私達が専ら生薬として扱っているものを日常的な食品としてスーパーなどで目にすることがありますが、大抵は木の実や野の草のたぐいで、食品としても納得のいくものです。しかし茯苓は意外でした。茯苓餅は茯苓を粉にしたものと米粉を水にとき、径7cmほどのクレープ状に焼いて、それを2枚、間に果物ゼリーが挟んであります。何となく懐かしい味です。効果の程はわかりません・・・