漢方日記

「お弁当の日」に学ぶもの《NaturalLife7_’10.12》

平成20年度から宇都宮市では教育委員会主導のもと,全小中学校で「お弁当の日」という食育活動が行われています。年に数回,普段の給食に替えてお弁当を持参するのです。お弁当は児童が保護者と協力して作ります。その目的として「食事について親子でともに考える機会とする」「子供達の食への関心を高める」「感謝の心を育む」「学習した食育を実際の生活につなげ,環境面や地産地消などへの関心を高める」といったことが挙げられています。

このような活動は,現在宇都宮だけでなく全国に広まっています。事の始まりは一つの小学校からでした。平成13年,香川県にある滝宮小学校で,当時の学校長 竹下和男先生の発案で行われた「弁当の日」でした(宇都宮市では弁当を大切にする思いを込めて「お弁当」としています)。竹下先生の方針は授業での調理実習を経た5年生と6年生が対象で,お弁当は完全に自分で作るというものです。保護者はつい手を出したくなりますが,我慢をして見守るのみです。自分だけで作ることで感謝の気持ちに目覚め,自分の力で生きていくことを学ぶというねらいがあります。またそれは親にとっても「待つ」「見守る」「任せる」大事さを学ぶ機会になるといいます。

香川でも宇都宮でも子ども達の「弁当の日」の感想には「好き嫌いが言えなくなった」「不満を言わずに食べたい」「ありがとうを言うようにする」といった家族への感謝の言葉が並びます。

さて,この「弁当の日」が全国に広まった背景には,食の問題に真剣に取り組む西日本新聞社(福岡市)の存在があります。その報道や出版物を見ると,食育の問題が,さらに食材,健康,精神,環境などの問題とも密接であることがわかります。その書籍の一つで助産師の内田美智子さんによる「ここ-食卓から始まる生教育」からほんの一部を抜粋してご紹介します。

「これまで,二千五百人もの赤ちゃんを取り上げてきました。母親は赤ちゃんの顔をじっと見つめ,涙を流します。しかしあたたかい涙や感動的なエピソードだけがあふれているわけではありません。冷たい,悲しい涙もあります。産婦人科には中高生もやってきます。そんな中高生の多くはすでに性のトラブルを抱えています。こんな思春期の子ども達と十年以上関わり『食』にたどり着きました。子ども達の『性』と『生』と『食』のつながりが見え始めました。生きることは食べること,食べることは生きることです。」

執筆者情報

毛塚 重行

研究報告・講演等

翻訳

    東洋学術出版社『中医臨床』

  • 小児疾患と湿熱の関係
    (中医臨床第107号2006年12月20日 「略論湿熱在中医児科発病学上的意義」浙江省中医薬研究院 王英)
  • 卵管閉塞による不妊36例に対する中西医結合治療
    (中医臨床第105号2006年6月20日 「中西医結合治療輸卵管阻塞性不妊症36例臨床観察」 劉軍)
  • 加味玉屏風湯による抗精子抗体陽性の女性患者57例の治療
    (中医臨床第105号2006年6月20日 「加味玉屏風湯治療女性抗精子抗体陽性57例」広東省仏山市第一人民病院 謝普練 韓慧)
  • 解表剤運用の心得
    (中医臨床第103号2005年12月20日 「解表剤運用心法」北京中医薬大学薬学系 倪誠)
  • 中医による難治性眼疾患の治療効果
    (中医臨床第102号2005年9月20日 「中医薬治療疑難眼病的療効簡介」中国中医研究院眼科医院)
  • 眼科領域における退翳明目法の応用
    (中医臨床第102号2005年9月20日 「退翳明目在眼科的応用」山東中医薬大学付属医院眼科 郭承偉)
  • 「明珠飲」による内眼疾患の治療
    (中医臨床第102号2005年9月20日 「中薬明珠飲治療内眼病挙隅」上海中医薬大学付属曙光医院眼科 潘雅?)
  • 名医の処方-疏肝解鬱益陰湯
    (中医臨床第102号2005年9月20日 「疏肝解鬱益陰湯」河北省人民医院眼科 ?賛襄)
  • 明目地黄丸および益精昇陰法
    (中医臨床第102号2005年9月20日 「明目地黄丸考証及応用-兼論益精昇陰法(二)」中国中医研究院眼科医院 高健生他)
  • 眼疾患に有用な方剤/石斛夜行丸方
    (中医臨床第102号2005年9月20日 「試析石斛夜光丸方」北京中医薬大学東直門医院眼科 祁宝玉他)
  • 眼科領域における細辛の臨床応用
    (中医臨床第102号2005年9月20日 「細辛在眼科臨床的応用」湖北省襄樊職業技術学院医学分院 汪碧涛)
  • 慢性前立腺炎の治療
    (中医臨床第101号2005年6月20日 「中西医結合治療慢性前立腺炎的思路与方法」福建中医学院 戴春福)
  • 益気養陰清熱法を併用した急性骨髄性白血病の治療中医臨床
    (中医臨床第100号2005年3月20日 「益気養陰清熱法輔助治療急性髄系白血病臨床療効観察」山東中医薬大学付属医院 徐瑞栄他)
  • 糖尿病性腎症の4大病機
    (中医臨床第99号2005年3月20日 「糖尿病腎病腎小球硬化症的中医病機探討」上海中医薬大学付属龍華医院 劉玉寧)
  • 「気」の中医的概念と理気の方薬
    (中医臨床第93号2003年6月20日 「緒論:中医的『気』与理気方薬」北京中医薬大学 王琦)
  • 「辛開苦降」の意味
    (中医臨床第92号2003年3月20日 「辛開苦降」河北省浹水県医院中医科 劉興武)
  • 「風薬治血」-風薬による血病治療
    (中医臨床第91号2002年12月20日 「風薬治血探微」瀘州医学院付属中医院 鄭国慶)
  • 老中医たちがもっとも得意とする生薬…それが黄耆
    (中医臨床第89号2002年6月20日 南京中医薬大学 黄煌)
  • 補陽還五湯の応用
    (中医臨床第89号2002年6月20日 「補陽還五湯治験2則」江蘇省常熟市中医院 李葆華)
  • 黄耆の運用経験
    (中医臨床第89号2002年6月20日 「黄耆的応用体会」南京中医薬大学 孟景春)
  • 黄耆の医案3例
    (中医臨床第89号2002年6月20日 「黄耆医案3則」南京中医薬大学 黄煌)
  • 防已黄耆湯の解釈と臨床応用
    (中医臨床第89号2002年6月20日 「防已黄耆湯」南京中医薬大学 蒋明・張国鐸)
  • 応用範囲の広い温胆湯
    (中医臨床第88号2002年3月20日 「温胆湯的臨床応用」江蘇省連雲港市中医院 趙化南)
  • 温胆湯の症例報告
    (中医臨床第88号2002年3月20日 「温胆湯的症例報告」南京医科大学付属淮安第一医院 李樹年)

薬剤師・薬学修士・国際中医専門員

Shigeyuki Kezuka

学歴
東京薬科大学薬学部薬学科卒業
金沢大学大学院薬学研究科(薬用植物園)修士課程修了
南京中医薬大学留学(2000~2002)
職歴
吉祥寺東西薬局勤務(1996~2000)
毛塚薬局勤務(2002~2005)
さくら堂漢方薬局開設・ 運営(2005〜)
国際医療福祉大学薬学部非常勤講師(2020~2024)
獨協医科大学看護学部非常勤講師(2025〜 )
所属
日本中医薬学会
日本東洋医学会
日本中医薬研究会
栃木中医薬研究会
東亜医学協会
日本漢方連盟
日本薬剤師会