漢方の生薬
イノコヅチ(猪子槌)と漢方《NaturalLife94_’19.1》
イノコヅチという植物をご存じですか?
秋の野原を歩いた後に、たくさんの小さな実が衣服に付着していることがあります。このような植物は「ひっつき虫」などと呼ばれ、ひっつき虫の一つにイノコヅチがあります。
名前の由来として、猪(いのしし)の子の毛に実が着きやすいことから「イノコヅチ」となったという説があります。しかし一般的に当てられる漢字は「猪子槌」で、槌(つち)は木槌や小槌の槌、つまりハンマーの形を意味し、膝(ひざ)の形を表現していると言われています。なぜ「猪の子の膝」なのかというと、イノコヅチの茎は枝葉が着く部分が肥大した節となり、その節が猪の子の膝のようであることが語源とされています。
イノコヅチにはヒカゲイノコヅチという別称があります。イノコヅチの近縁植物に日向を好むヒナタイノコヅチがあり、これと区別するときに使われる名称です。これらを総称してイノコヅチと呼ぶこともあります。
写真を見ていただければ見覚えがあるという方も少なくないと思います。やっかいな雑草だと思われた方もおられるでしょう。比較的身近な野草です。実はこのイノコヅチ、とくに根が太くなるヒナタイノコヅチは漢方で使われる重要な薬用植物です。根を乾燥した物が薬用となり、生薬名は牛膝(ごしつ)です。
牛膝は筋骨を丈夫にしたり、血行を改善する働きがあります。足腰の衰弱、関節痛、しびれ、高血圧などの改善を目的とした処方に含まれます。代表処方には牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)、独活寄生湯(どっかつきせいとう)、血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)、疎経活血湯(そけいかっけつとう)、折衝飲(せっしょういん)などがあります。
牛膝という名前は元々中国でイノコヅチに付けられた植物名です。肥大した茎の節を牛の膝に喩えたのでしょう。膝を連想させる植物の根が、人の膝などの関節痛に有効であることが何とも不思議です。
亥年の初めということで猪に関連する話を選んだつもりでしたが、いつの間にか牛の話になってしまいました。あしからず。
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研究報告・講演等
翻訳
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(中医臨床第103号2005年12月20日 「解表剤運用心法」北京中医薬大学薬学系 倪誠) - 中医による難治性眼疾患の治療効果
(中医臨床第102号2005年9月20日 「中医薬治療疑難眼病的療効簡介」中国中医研究院眼科医院) - 眼科領域における退翳明目法の応用
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(中医臨床第102号2005年9月20日 「中薬明珠飲治療内眼病挙隅」上海中医薬大学付属曙光医院眼科 潘雅?) - 名医の処方-疏肝解鬱益陰湯
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他
東洋学術出版社『中医臨床』
薬剤師・薬学修士・国際中医専門員
毛塚 重行Shigeyuki Kezuka
- 学歴
- 東京薬科大学薬学部薬学科卒業
金沢大学大学院薬学研究科(薬用植物園)修士課程修了
南京中医薬大学留学(2000~2002) - 職歴
- 吉祥寺東西薬局勤務(1996~2000)
毛塚薬局勤務(2002~2005)
さくら堂漢方薬局開設・ 運営(2005〜)
国際医療福祉大学薬学部非常勤講師(2020~2024)
獨協医科大学看護学部非常勤講師(2025〜 ) - 所属
- 日本中医薬学会
日本東洋医学会
日本中医薬研究会
栃木中医薬研究会
東亜医学協会
日本漢方連盟
日本薬剤師会
