春を告げる花 レンギョウ

コブシやウメ、サンシュユなどとともに早春に花を開く花木にレンギョウがあります。3月~4月、レンギョウは明るい黄色い花を咲かせます。放射状に花弁が広がる様から、西洋ではゴールデンベルと呼ばれるそうです。背丈が低く、庭木として何本も並べて植栽されているのをよく見かけます。葉が出る前に花を多数密につけるので、満開の時期には見事な生け垣になっていることもあります。

レンギョウの仲間としては中国原産のレンギョウやシナレンギョウ、朝鮮半島原産のチョウセンレンギョウなどが有名です。日本原産では絶滅危惧種となってるヤマトレンギョウやショウドシマレンギョウなどがあります。これらを総称してレンギョウと呼ぶことが多いのですが、一般に植栽されているほとんどがシナレンギョウかチョウセンレンギョウとのことです。

レンギョウとシナレンギョウの果実を乾燥させたものは漢方で重要な生薬となります。生薬名は連翹(れんぎょう)です。消炎・解毒の作用があるとされています。
連翹を含む処方には、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、銀翹散(ぎんぎょうさん)、荊防排毒散(けいぼうはいどくさん)などが有名です。これらの処方は、皮膚や呼吸器の感染症・慢性炎症に幅広く使われます。

たとえば皮膚病では、ニキビやアトピー性皮膚炎、尋常性乾癬などでの応用が多く、最近では花粉症皮膚炎などにも応用されます。
呼吸器疾患では、カゼや鼻炎、扁桃腺炎、副鼻腔炎などに用いられます。このときに注意が必要なのは、連翹を含む処方は赤みが強かったり、患部が熱を持つなど、熱性の状態に向いているということです。逆に寒気が顕著な場合には体を温めるニッキやショウガを中心にした処方が必要です。鼻水で見てみますと、熱性の鼻水は粘性が高く、黄色や緑に色づいています。一方寒性の鼻水は無色で水っぽく、サラサラとしているのが特徴です。ときに熱性の状態と寒性の状態が混在することがあり、その場合には温める生薬と消炎の生薬を適量を検討しながら併用します。

現在庭木として身近なレンギョウですが、薬用として日本に入ってきたのが最初のようです。花言葉は「希望」「期待」などといわれており、明るく前向きな印象が春の満開の様子と一致します。薬効の面でも「希望」「期待」を抱かせる重要な生薬です。
レンギョウ
写真1 庭木「レンギョウ」
連翹
写真2 生薬「連翹」