漢方の生薬
ゼラチンの効果《NaturalLife50_’15.1》
魚や肉の煮込み料理が冷えるとプルプルの煮こごりができます。動物の皮膚や骨,腱に含まれるコラーゲンが煮汁にしみ出て,冷える時にゼラチンとして固まるためです。昔から日本人には親しまれてきた物ですね。最近ではコラーゲンに富む骨付き肉やスジ肉をふんだんに入れたコラーゲン鍋が流行ったり,さらには粉末にしたコラーゲンのサプリメントがもてはやされている様です。肌に艶や潤いが出て,美肌効果が期待できると言われています。
ただし,コラーゲンを摂っても,腸から吸収される際に分解されてしまい,そのまま体のコラーゲンが増えるわけではありません。美肌効果に関する科学的な根拠は認められていないようです。ところが伝統医学の中では,しばしばゼラチン類が治療や健康維持の目的で利用されることがあります。長い歴史の中で多くの経験から,ゼラチンの種類によって効果が異なることも分かっています。
ロバの皮の煮汁を乾燥させたものは阿膠(あきょう)と呼ばれ,漢方で利用される重要な生薬です。膠は“にかわ”とも読みますが,ゼラチン質を意味し,さらにそれから得られる接着剤を指す場合もあります。阿膠の重要な作用に止血があります。痔出血や女性の不正出血などに用いられる芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)は,阿膠を含む代表処方です。また貧血や空咳の治療にも用いられることがあります。

↑阿膠
その他,生薬の書籍にあるゼラチン質の代表的なものをご紹介しましょう。
亀の甲羅から得られる亀板膠(きばんきょう)は滋養に優れ,体を潤して火照りを取る作用があるとされます。スッポンの甲羅を由来とする鼈甲膠(べっこうきょう)も同様に用いられます。
鹿の角を煮詰めて作ったものは鹿角膠(ろっかっくきょう)と呼ばれ,滋養,止血,止痛などの作用があると言われます。
魚膘膠(ぎょひょうきょう)は魚の浮き袋を煮詰めて得られるもので精のつくものとして利用されています。また流産防止にもなると言われています。
いずれも,何らかの滋養効果が見て取れます。とくに冬の食養生ではしばしば滋養の品を積極的に取るよう言われますので,身近な食材でのコラーゲン鍋も悪くないかもしれません。ただし取りすぎは胸やけや胃もたれ,下痢,軟便の原因となりますのでご注意を。
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研究報告・講演等
翻訳
- 小児疾患と湿熱の関係
(中医臨床第107号2006年12月20日 「略論湿熱在中医児科発病学上的意義」浙江省中医薬研究院 王英) - 卵管閉塞による不妊36例に対する中西医結合治療
(中医臨床第105号2006年6月20日 「中西医結合治療輸卵管阻塞性不妊症36例臨床観察」 劉軍) - 加味玉屏風湯による抗精子抗体陽性の女性患者57例の治療
(中医臨床第105号2006年6月20日 「加味玉屏風湯治療女性抗精子抗体陽性57例」広東省仏山市第一人民病院 謝普練 韓慧) - 解表剤運用の心得
(中医臨床第103号2005年12月20日 「解表剤運用心法」北京中医薬大学薬学系 倪誠) - 中医による難治性眼疾患の治療効果
(中医臨床第102号2005年9月20日 「中医薬治療疑難眼病的療効簡介」中国中医研究院眼科医院) - 眼科領域における退翳明目法の応用
(中医臨床第102号2005年9月20日 「退翳明目在眼科的応用」山東中医薬大学付属医院眼科 郭承偉) - 「明珠飲」による内眼疾患の治療
(中医臨床第102号2005年9月20日 「中薬明珠飲治療内眼病挙隅」上海中医薬大学付属曙光医院眼科 潘雅?) - 名医の処方-疏肝解鬱益陰湯
(中医臨床第102号2005年9月20日 「疏肝解鬱益陰湯」河北省人民医院眼科 ?賛襄) - 明目地黄丸および益精昇陰法
(中医臨床第102号2005年9月20日 「明目地黄丸考証及応用-兼論益精昇陰法(二)」中国中医研究院眼科医院 高健生他) - 眼疾患に有用な方剤/石斛夜行丸方
(中医臨床第102号2005年9月20日 「試析石斛夜光丸方」北京中医薬大学東直門医院眼科 祁宝玉他) - 眼科領域における細辛の臨床応用
(中医臨床第102号2005年9月20日 「細辛在眼科臨床的応用」湖北省襄樊職業技術学院医学分院 汪碧涛) - 慢性前立腺炎の治療
(中医臨床第101号2005年6月20日 「中西医結合治療慢性前立腺炎的思路与方法」福建中医学院 戴春福) - 益気養陰清熱法を併用した急性骨髄性白血病の治療中医臨床
(中医臨床第100号2005年3月20日 「益気養陰清熱法輔助治療急性髄系白血病臨床療効観察」山東中医薬大学付属医院 徐瑞栄他) - 糖尿病性腎症の4大病機
(中医臨床第99号2005年3月20日 「糖尿病腎病腎小球硬化症的中医病機探討」上海中医薬大学付属龍華医院 劉玉寧) - 「気」の中医的概念と理気の方薬
(中医臨床第93号2003年6月20日 「緒論:中医的『気』与理気方薬」北京中医薬大学 王琦) - 「辛開苦降」の意味
(中医臨床第92号2003年3月20日 「辛開苦降」河北省浹水県医院中医科 劉興武) - 「風薬治血」-風薬による血病治療
(中医臨床第91号2002年12月20日 「風薬治血探微」瀘州医学院付属中医院 鄭国慶) - 老中医たちがもっとも得意とする生薬…それが黄耆
(中医臨床第89号2002年6月20日 南京中医薬大学 黄煌) - 補陽還五湯の応用
(中医臨床第89号2002年6月20日 「補陽還五湯治験2則」江蘇省常熟市中医院 李葆華) - 黄耆の運用経験
(中医臨床第89号2002年6月20日 「黄耆的応用体会」南京中医薬大学 孟景春) - 黄耆の医案3例
(中医臨床第89号2002年6月20日 「黄耆医案3則」南京中医薬大学 黄煌) - 防已黄耆湯の解釈と臨床応用
(中医臨床第89号2002年6月20日 「防已黄耆湯」南京中医薬大学 蒋明・張国鐸) - 応用範囲の広い温胆湯
(中医臨床第88号2002年3月20日 「温胆湯的臨床応用」江蘇省連雲港市中医院 趙化南) - 温胆湯の症例報告
(中医臨床第88号2002年3月20日 「温胆湯的症例報告」南京医科大学付属淮安第一医院 李樹年)
他
東洋学術出版社『中医臨床』
薬剤師・薬学修士・国際中医専門員
毛塚 重行Shigeyuki Kezuka
- 学歴
- 東京薬科大学薬学部薬学科卒業
金沢大学大学院薬学研究科(薬用植物園)修士課程修了
南京中医薬大学留学(2000~2002) - 職歴
- 吉祥寺東西薬局勤務(1996~2000)
毛塚薬局勤務(2002~2005)
さくら堂漢方薬局開設・ 運営(2005〜)
国際医療福祉大学薬学部非常勤講師(2020~2024)
獨協医科大学看護学部非常勤講師(2025〜 ) - 所属
- 日本中医薬学会
日本東洋医学会
日本中医薬研究会
栃木中医薬研究会
東亜医学協会
日本漢方連盟
日本薬剤師会
